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酒井 宏典; 芳賀 芳範
固体物理, 58(10), p.529 - 536, 2023/10
我々は過剰ウランを含む溶融塩フラックス法により、高品質UTe単結晶の育成に成功した。また、この純良結晶を用いて、磁気困難軸方向に25Tまでの磁場を印加し、超伝導相図を調べた。
酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 芳賀 芳範
Physical Review Materials (Internet), 6(7), p.073401_1 - 073401_10, 2022/07
被引用回数:18 パーセンタイル:89.58(Materials Science, Multidisciplinary)スピン三重項超伝導体UTeの新規合成ルートとして溶融塩フラックス法を適用した。合成条件を最適化した結果、今までで最高の超伝導転移温度 Kを記録した。これらの単結晶は、著しく大きな残留抵抗率比を示し、以下における残留比熱も小さくなった。これらはウラン空孔による結晶欠陥が減少したことを示しており、溶融塩フラックス中の余剰金属ウランが、還元雰囲気を作り、四価ウランが五価となるのを防ぎウラン空孔生成を抑制しているようだ。また、低融点フラックスがテルルの蒸発を防ぐ効果も期待できる。
宍戸 寛明*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 池田 修悟; 中島 美帆*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.119 - 120, 2006/08
被引用回数:1 パーセンタイル:11.01(Physics, Multidisciplinary)UIrは反転対称性をもたない単斜晶PbBi型の結晶構造をとり、キュリー温度46Kのイジング型強磁性体である。最近、圧力下での電気抵抗,磁化率測定からUIrが圧力誘起超伝導体であることが明らかになった。加圧によりキュリー温度は減少し、キュリー温度が0になってからさらに加圧するとより小さなモーメントの強磁性が出現する。超伝導はこの高圧における強磁性相が消失する2.6GPa近傍のごく狭い圧力範囲で観測された。われわれはこのUIrの純良単結晶育成と加圧下での物性測定結果について報告する。
大貫 惇睦*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 木村 憲彰*
原子力工業, 43(5), p.47 - 52, 1997/00
UPtは0.5K付近で2つの超伝導遷移温度を持ち、さらに温度と磁場の相図には3種類の超伝導相が存在する。このような多重相図を持つ超伝導体はUPt以外にはなく、この超伝導メカニズムに対しては10年来の欧米における精力的な研究にもかかわらず、明らかにされなかった。われわれのグループでは極めて純良な単結晶を育成し、大阪大学の北岡良雄氏や北海道大学の榊原俊郎氏の協力を得て、NMRと磁化の測定を行い、UPtが固体では初めての奇パリティ超伝導体であることを明らかにした。
酒井 宏典
no journal, ,
最近、溶融塩フラックス法を用いて、新奇超伝導体UTeの純良単結晶育成に成功し、不純物散乱を抑制することによってを1.6Kから2.1Kまで増加させることができた。磁化困難軸である結晶軸方向に磁場を精確に印加すると、15 T以上の磁場ではが大きくなる磁場増強超伝導状態が現れる。この高磁場超伝導状態を調べるために、純良単結晶における約25Tまでの磁場-温度相図を求めた。磁場を精確に軸方向にかけてとを同時に測定することによって、15 T以上に以前の試料では観測できなかった低磁場超伝導相と高磁場超伝導相の間に新たな中間超伝導相が存在することを明らかにした。